タイル・
下地工事

外壁タイルの改修工事・下地工事について詳しくご説明します。

ホーム/タイル・下地工事

当社では
特殊建築物定期報告制度に基づき、
分譲マンションや
賃貸マンションなどの
建物の定期調査と
外壁タイルの改修工事を
行っています。

特殊建築物定期報告制度の
見直しについて

【見直しのポイント】
平成20年4月1日以降、以下のように見直しが行われました。

  • 打診調査の強化: 範囲を広げて調査を実施
  • 報告の義務化: 竣工後10年を経過した建物や改修から10年を経過した場合は全て外壁の調査・検査が必要

磁器タイルの
劣化現象と原因

磁器タイルの浮きは、以下の原因により発生します。

  • 温度差による変化
  • 地震などの外力による変化
  • 湿度による変化
  • 凍結融解による変化
  • 鉄筋の被り厚さ不足
  • 施工不良または建物の不同沈下

タイル改修工事の様子

磁器タイルの
ひび割れ・欠損の発生

磁器タイルのひび割れは、以下の要因で発生します。

  • 微細なひび割れから貫通するひび割れ
  • 雨水の浸入と漏水
  • 鉄筋の腐食と錆汁の流出

タイル仕上げが欠損する原因には、タイルの陶片、タイルの接着モルタルと下地モルタル間、下地モルタルとコンクリートの界面等欠損以外に、埋め込まれた鉄筋や手すりが腐食して膨張し、押し出されることがあります。これにより、浮きや剥がれが発生することがあります。

磁器タイルの改修工法

浮き部の改修

アンカーピンニング注入工法

浮き部に材料の注入とアンカーピンを併用する方法です。
1平方メートルあたり25孔を基本としています。

ひび割れ部の改修

樹脂注入工法

シリンダーを用いてエポキシ樹脂を低圧注入し、雨水の浸入を防止します。

Uカットシール材充填工法

ディスクサンダーでU型溝を設け、シーリング材を充填して補修します。

エポキシ樹脂を低圧注入の様子

欠損部の改修

充填工法

軽量エポキシ樹脂モルタルを充填する方法です。

張替え工法

腐食膨張している部分に対し、防錆処理後に同素材を充填して修復します。

磁器タイル改修工事の
ポイント

調査診断と実費清算方式について

マンションの大規模修繕工事における調査診断と修繕設計の重要性について解説します。
全数を調査することが困難な場合、多額の費用と時間が必要ですので、慎重な計画が求められます。

マンションの大規模修繕工事では、コンサルタントや設計事務所が調査・診断・修繕設計を行いますが、磁器タイルの全面調査は困難です。全面調査には仮設足場やゴンドラが必要で、多額の費用と時間がかかります。
一般的な調査・診断では、調査員の手の届く範囲での打診や目視が中心です。特に屋上パラペット、開放廊下、外階段の手すり壁などが調査対象となります。南面バルコニー側の磁器タイルは特に調査が難しく、多くの場合、全体の15%程度を診断し、その結果から全体を推測します。
磁器タイルのひび割れは双眼鏡を使っても正確に把握するのが難しく、浮きの状況は方角によって異なります。さらに、施工時の天候や作業の質などの要因も影響し、現時点での正確な数量把握が一層困難です(例えば、モルタルの施工不良による浮きなど)。
管理組合やオーナーの予算が限られているため、金額の不確定な実費精算方式が認められない場合もあります。しかし、無用なトラブルを避け、適切かつ明確な予算配分を行うためにも、実費精算方式の採用を検討することをお勧めします。

実数精算方式による正確な予算編成と計画

補修の設計数量について

補修の設計数量(見積書の内訳)はタイルの張替え枚数で表記され、1平方メートルあたりの施工単価とタイルの材料費をしっかりと確認することが重要です。

磁器タイルの調査診断に基づくひび割れ補修の見積もりは、基本的に交換するタイルの枚数で計算されます。例えば、3000枚のタイルを交換する場合、一般的な2丁掛けタイル(H50mm×W100mm)では、1㎡あたり200枚となり、総面積は15.0㎡になります。
ここで重要なのは、施工費用の単価です。これは1枚あたりの撤去・貼り直し費用とタイルの材料費を含みます。タイルの材料費は、市販されている近似色のタイルを使用する場合と、特定の色やパターンを指定して特注する場合で異なります。マンションの大規模修繕工事では色違いを避ける傾向が強く、多くの場合メーカー特注となり、その結果費用が高くなります。
設計数量が1㎡単位の場合もあるため、見積書に記載された㎡単価が適正かどうか、しっかり確認することが大切です。
また、ひび割れの補修の際、ひび割れの長さはm単位で表記されます。しかし、それに伴ってタイルの交換も必要です。例えば、10mのひび割れがある場合、ひび割れは縦や斜めに入ることが多く(タイルの縦は50mmのため)、200枚のタイル交換が必要になります。
タイルの浮きについては、浮いている部分をテープでマークし、番号をつけて記録します。それから、そのエリアの面積を㎡単位で計算し、設計数量にします。この数量に㎡あたりの浮き補修費用を掛けることで、予算金額を算出します。

下地補修工事とは

下地補修とは、塗装や防水施工を行う前に、建物のベースとなる部分を補修する工事のことです。
具体的には、凸凹や亀裂、欠損やピンホールなどを削り取ったり埋めたりする作業が含まれます。
これは非常に重要な作業で、建物の耐久性と美観を保つために欠かせません。

建物の経年劣化と下地補修

ビルやマンションなどの建物は主に鉄筋とコンクリートで作られています。これらは、鉄の酸性とコンクリートのアルカリ性によって中和され、耐久性が高まっています。

コンクリートの膨張と収縮のサイクル

コンクリートは外気の温度が高いと膨張し、低いと収縮する性質があります。このため、年数が経つにつれてコンクリートは収縮と膨張を繰り返し、ひび割れなどの問題が発生します。
これを放置すると、ひび割れから雨水が浸入し、内部の鉄筋が腐食して建物の寿命を縮めることになります。このため、定期的に点検や調査を行い、早めに下地補修を行うことが重要です。

下地補修工事の具体例

クラック(ひび割れ)

コンクリートやモルタルには、乾燥や収縮、地震などの動きにより、経年で大小のひび割れ(クラック)が生じます。雨水や炭酸ガスがひび割れに浸入すると、コンクリートの中性化が進み、内部の鉄筋が腐食して膨張し、ひび割れが拡大します。

ひび割れを放置すると、雨水がバルコニーや開放廊下の床面から浸入し、天井や軒天にエフロレッセンス(白化現象)が生じ、美観を損なうだけでなく、鉄筋の腐食も進みます。

モルタル浮き

現在のコンクリート打ち放し工法では、型枠の精度は良くなっているものの、調整のために薄いモルタルが塗られることが多いです。このモルタルが部分的に浮くことがあります。

経年劣化により、床面に浮きが生じやすくなります。特に手摺壁の天端などは、浮きが発生すると落下の危険性があります。

鉄筋爆裂

コンクリート外壁には、炭酸ガスや雨水から鉄筋を守るために2.0cmの被り厚さが義務付けられています。しかし、施工不良や型枠の精度不足により、この厚さが確保されていない場合があります。

被り厚さが不足していると、コンクリートが中性化しやすくなり、鉄筋が腐食して膨張し、鉄筋爆裂が発生します。これにより、バルコニーや開放廊下にも影響が出ます。

欠損

欠損はひび割れや爆裂によって生じますが、モルタルの破壊や温度変化による伸縮によっても発生します。

鉄骨階段梁の取合いヶ所や手摺壁の欠損が代表的な例です。

下地補修工事の工法

下地補修工事の種類

擦り込み工法

[クラック幅0.3mm未満の場合]

0.3mm未満の小さなひび割れには、注入ができません。
そのため、微弾性フィーラーや可透性エポキシ樹脂といった材料を使って、ひび割れを埋める方法を取ります。
なお、シール材には柔らかさを保つための成分(可塑剤)が含まれており、使用後に塗装面を汚し美観を損なうため使用しません。

エポキシ樹脂低圧注入工法

[クラック幅0.3mm以上1.0mm未満の場合]

幅0.3mm以上のひび割れに対して行う方法です。
ひび割れの周囲が粗い場合は清掃を行い、注入器具を適切な間隔で取り付けます。
次に、ひび割れ部分をシール材で覆い、注入器具を通じてエポキシ樹脂を内部に注入します。
これにより、ひび割れ内部がしっかりと埋まります。

Uカットシール充填工法

[クラック幅1.0mm以上の場合]

建物に生じたひび割れには、コンクリートの収縮によるものと、建物の構造上の理由によるものがあります。
・収縮によるひび割れ:割れの動きが少ない場合が多く、内部にセメント材などを充填して修復します。
・構造上の理由によるひび割れ:割れが広がる可能性があるため、U字型に溝を作ってシーリング材を充填することで、割れの動きに追随します。

エポキシ樹脂ピン注入工法

[床面モルタル浮きの場合]

床のモルタルが浮いている部分に対してエポキシ樹脂を注入し、さらにステンレス製のピンを挿入して固定します。これにより、浮きが広がるのを防ぎ、大規模な剥がれを防ぎます。一般的には、1平方メートルあたり16から25本のピンを使用します。
バルコニーや廊下などの床面では、落下の危険性が少ないためピンを使用しないこともあります。

[モルタル笠木浮きの場合]

モルタルとコンクリートの収縮の違いにより、手摺壁のモルタル笠木は浮きやすくなります。
この浮きを防ぐため、20cmほどの間隔でドリルで穴を開け、エポキシ樹脂を注入し全ネジピンを挿入して固定します。これにより、落下の危険性を防ぎます。

モルタル充填工法

[鉄筋爆裂または欠損の場合]

コンクリートは時間の経過とともに中性化し、強度を失います。これにより内部の鉄筋が腐食しやすくなり、膨張して周囲のコンクリートを押し上げる現象を鉄筋爆裂と呼びます。この状態になると、さらに雨水が浸入し、鉄筋の腐食が進行します。
このような箇所を修復するために、まず腐食した鉄筋の錆を除去し、防錆材を塗布します。その後、樹脂モルタルを使って埋め戻しを行います。これにより、コンクリートの劣化を防ぎます。

実数清算方式ついて

実数精算方式とは

弊社では、2 階建て以上の建物のタイル改修工事や下地補修工事をご依頼された場合、 【実数清算方式】にてご提案させていただきます。

実数精算方式による正確な予算編成と計画

【実数清算】とは、想定数量を基にご契約させていただき、足場設置・打診調査後に施工数量や施工仕様などを確定させる方法です。そのためお見積り時の内容と増減変更が生じます。

2 階建て以上の建物の現地調査時には目視だけで正確な施工量を算出できません。そのため 1 階打診可能部分の数量を基準とし、全体の想定数量にてお見積りをご提出いたします。

その後、足場設置後に全体くまなく打診調査を行い、マーキング・図落とし※1 を行い、施主様にご確認いただきます。

その際に予算とのバランスを相談し、≪すべて補修実施≫≪一部のみ施工実施≫など今後の方針を決定していきます。

施工後のトラブルを避け、明確な予算配分を行うためにも、実数清算方式を導入することをおすすめいたします。

※1:図面上に施工が必要な箇所を記入し実数量をまとめます。

固定数量方式との違い

見積もりの金額を一定に保つため、数量を固定し、予想をもとに契約する方式もあります。

しかし、固定数量方式では、予想よりも多くの作業が必要になると施工者に負担がかかり、逆に少ない作業で済んだ場合にはお客様が割高な費用を支払うことになりかねません。

選択のポイント

多くの管理組合では、限られた予算の中で工事を行うため、固定数量方式を選ぶことが多いですが、この方式では実際の工事内容が不透明になりがちです。

結果として、工事の詳細が分からず、後でトラブルになる可能性があります。そのため、より正確で無駄のない工事を目指すには、実数清算方式をお勧めします。

実数清算方式の手順

1.足場の設置と調査

足場を設置した後、詳細な調査を行い、ひび割れやモルタルの浮き、鉄筋の露出などを確認します。

2.数量表と施工図の作成

調査結果を基に、実際の補修量の数量表や施工図を作成します。

3.三者協議

見積り段階の数量と実際の数量に差がある場合、発注者・施工者・監理者で協議を行い、修正や計画の再確認をします。

4.最終的な精算

工事が完了した後、増減した数量を精算し、最終的な工事費用を確定します。

女性の画像

問題が起こる前に、
まずは無料点検を!

24時間受付中